覆面★レビュー


[8] No.08 「Early summer rain」 Name:覆面☆レビュア Date:2008/06/21(土) 00:24 [ 返信 ]
大学四年になった僕は高校最後の年、ケンジと走り、あの日気まぐれな五月雨が降っていた事を思い出す。
あの日と同じ、気まぐれな五月雨の降りしきる山林の車道を僕は行く。同じ時間に追いつく為に。

http://ncode.syosetu.com/n4975e/9.html


[29] RE:No.08 「Early summer rain」 Name:レビ Date:2008/06/21(土) 02:46
読んでて鳥肌が立った。
思春期の揺らぎがちな感情と雨の降る険しい山道の描写が鮮明に描かれている。

主人公とケンジは、自らを取り巻く現実、「世界の仕組み」から逃れたいという学生時代特有のがむしゃらな情動に突き動かされて、「どこか」へ向かおうと自転車を走らせる。しかし途中で激しい雨に襲われ主人公はケンジに置いて行かれてしまう。諦めて現実の世界へと組み込まれた主人公は四年の時を経て「先」へと行ったケンジに追いつこうともう一度五月雨に濡れる山道を自転車で上ってゆく。

不安定な時期に自らを取り巻く環境から解放されたいと願い、「どこか」別の世界へと憧憬を抱く。そこに普遍的なものを感じて共感出来た。
ただ*で区切られた部分以外の「回想」部分は改行を入れた方が読者を混乱させないと思う。


[66] RE:No.08 「Early summer rain」 Name:覆面☆レビュア Date:2008/06/21(土) 15:52
少し前を行くケンジへの憧憬が在りながら、ケンジが抱える逃避にも似た「解放」に、最後までついていく心も体もない主人公。

素直に良かったです。

高校3年生にしては動機が幼稚かな、とも思いましたので、脳内で勝手に中学3年にすり替えてしまいました。

でも良かった。惹かれました。


[83] RE:No.08 「Early summer rain」 Name:夜明け前の猫 Date:2008/06/21(土) 18:11
過去を見つめ、そして重く右足を繋いでいる鎖を断ち切るという、力強い作品だったと思います。生を感じるということ、解放を望むこと。それらは輝きに満ちているにもかかわらずとても脆い衝動です。どこかひとつ心持ちが変わってしまうだけで、あっけなく姿は瓦解し、見えなくなってしまう。でも、それに向き合う力というのは案外強いものなんですよね。頂上で蹴飛ばした根拠のない友の墓標(たぶんそうなんだと思うのですが、違ったらごめんなさい)。そこに全ての想いが詰め込まれていると感じました。降る雨はいつか必ず晴れるものだと気付かせてくれる作品だったと思います。

[93] RE:No.08 「Early summer rain」 Name:クロス・マリアン Date:2008/06/22(日) 00:41
 軋むように胸の痛む物語でした。素直な読み方ではないのかも知れませんが、「ケンジ」の想いに想像を膨らませながら読んでいました。
 主人公と友人と、心に澱む葛藤は同じだった筈なのに、何が彼らを別ったのか、そこに注目すると「ケンジ」にその答えを求めたくなってしまい(主人公の出した予想の答ではなく)、主人公とは別の答えもあったのではないか、といろいろ想像を巡らせました。
 むー…巧く感じた事をフォントに置き換えられません。
 その位に、重く深く強く、様々な感覚・気持ちを与えてくれる作品です。


[105] RE:No.08 「Early summer rain」 Name:覆面☆レビュア Date:2008/06/22(日) 17:05
読んだ後に色んな想いが渦巻きます。
うまく言葉にできないのがもどかしい……良作でした。
いいもん読めました。ありがとうございます。


[107] RE:No.08 「Early summer rain」 Name:読書感想文 Date:2008/06/22(日) 18:58
 内容がよかった。
 いろいろ考えさせられる作品、思春期の時にあるどうしようもないような、迷い、不安などケンジを通して巧く感情表現されていて、思わず唸ってしまう。ケンジがどうなってしまったかは、ある程度読者にゆだねる形になっているが、そこがまたよかった。構成とかもよくて、作品としての完成度が高くて良作でした。いい作品ありがとう。


[124] RE:No.08 「Early summer rain」 Name:覆面☆レビュア Date:2008/06/25(水) 14:15
内容はありがちな思春期の葛藤だが、自転車と山になぞらえた描き方が良かった。実は今頃ケンジはすっかり社会の仕組みに取り込まれていて、しかしそれでいてすごく幸せに自由に暮らしているのでは…などという想像をさせられた。だとしたら主人公はまた置いてかれたことになるんだろうな…。

[143] RE:No.08 「Early summer rain」 Name:ミス・レモン味 Date:2008/06/26(木) 11:47
わたくし、おそらく、この企画作品の中で一番に好きなお話です。
五月の雨、自転車、山、社会の仕組み。個々の単語がどれも色鮮やかにその場面を映し出す映写機のようで、読み終えてからいろいろなことを考えさせられました。
思春期の思いと雨は同じようなものなのかもしれませんわね。それがやめば、青空に会えるのでしょう。


[151] RE:No.08 「Early summer rain」 Name:覆面★作文屋 Date:2008/06/27(金) 14:40
凄いもんを読まされますた(;゜д゜;)
みじくなおこちゃまやねと言ってしまへば簡単だけども誰もがもっただらう衝動が胸に迫りまつ(´;ω;`)
ケンジが時計を気にしたり、何度か話しかけてきたのはのは、
やはり彼にも躊躇があったのやもとすこすせつなくなりますた(´・ω・`)
不必要な描写がひとつも見当たらず、メッセージ性、構成、文章どれも完成度高い良作だとおもいまつ(*`・ω・´*)

作文屋も…もう一度がむしゃらなあの頃に戻れたらと、コンビニ弁当食べながら涙しますた( ;ω;)y-~~~




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