覆面★レビュー


[17] No.17 「鎖雨樋」   Name:覆面☆レビュア Date:2008/06/21(土) 00:31 [ 返信 ]
雨の音がする。家の中、街の中、私の記憶の中。
しとしとしとしと。しとしとしとしと。
長らく降り続くこの雨に終わりはあるのだろうか。
鎖樋を伝う水の行く先。

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[27] RE:No.17 「鎖雨樋」   Name:りりー Date:2008/06/21(土) 02:19
話全体を覆う雨の匂いを嗅いだような気分になった。
文章の一つ一つのつなぎ目に若干ほころびはあるにしろ、表現力は確かである。
主人公の心境を、喩えを使ってよく表している。
後半の「大輝」がいなくなるまでは、テンポ良く進んでいくが、その後半で突如展開の内容に目を見張った。
私の読解力の無さのせいかもしれないが、これは一体どういう構成なのだろうと思った。
後半の「事実」までのくだりをもう少し明らかにしてもらえたほうが楽しめたかもしれない。

文章力や創造力を感じたからこそ、少々きつめのレビューになってしまったことにご容赦願いたい。


[62] RE:No.17 「鎖雨樋」   Name:覆面☆レビュア Date:2008/06/21(土) 14:15
大輝が消えてからあっという間でした。
父、母?あ、そういうことか?!
前半の父母描写を忘れていたために、最初は戸惑ってしまって…
幼稚園あたりや、帰宅途中辺りでもう少し父母のことや、記憶のブレがあると、後半の唐突さが減るのではないかと思います。
でもテーマ性や、主人公が雨が降るとその時代に返ってしまう切なさが好きでした。


[79] RE:No.17 「鎖雨樋」   Name:夜明け前の猫 Date:2008/06/21(土) 18:07
全体的に暗鬱とした空気が漂っている作品でした。全てを雨のカーテンに覆い隠されてしまった主人公。彼女が漠然と感じていた不快感の正体が、最終部で一気に明かされる時その勢いに思わず目が回りそうでした。ああ、そう言うことなのか。分かってから再び読むと、それぞれの言葉に隠されていた微妙なセンテンスが見えてくるような気がしました。失った家族。変化してしまった記憶。主人公の過去を考えると胸が裂かれるような思いがする作品でした。

[100] RE:No.17 「鎖雨樋」   Name:レビュざえもん Date:2008/06/22(日) 11:45
哀しい、お話です。控えめだがまるで降る雨のような時に流れるように、時に点々と落ちる文章はお見事。場面場面の情景も眼に浮かぶようで、内容も雨の寂しさに合っている作品です。

[103] RE:No.17 「鎖雨樋」   Name:覆面☆レビュア Date:2008/06/22(日) 17:01
>梅雨時の雨というものは、にじりにじりと降り続き
「にじりにじり」こういう表現は一朝一夕には出来ないと思いました。うまー。
冒頭から鬱々とした雰囲気に覆われていますが、語り口の巧さで引きこまれていきますねえ。
描写の細やかさ、言葉選びのセンスが的確だと思いました。
テーマは重く読み終わると哀切を感じますが、完成度の高い作品。楽しませて頂きました。


[109] RE:No.17 「鎖雨樋」   Name:覆面レディ Date:2008/06/22(日) 19:05
雨と主人公の陰鬱とした雰囲気が冒頭からよく表現されていたと思います。
まずはやはり表現力の豊かさ、細かいところまでよく描かれているところが素晴らしいです。
大輝の登場で明るく一転かと思いきや、ダークにまた急展開を見せるストーリー。
なんともいえない寂しさが最後、よく伝わってきました。
非常に印象的なお話でした。


[115] RE:No.17 「鎖雨樋」   Name:覆面☆レビュア Date:2008/06/23(月) 01:40
うまい!! おもしろかったです。
「保母さんは少し驚いた後」という部分。そこまでの展開が展開なだけに、何かあるだろう、何か起こるだろう、と構えて読んでしまったので、そこに必要以上に注目してしまいました。読み終えてみれば、過去の幸せな情景の回想のようなので、それならばこの一言はもったいなかったように思います。全体的な言葉選びが非常に丁寧だからこそ。
もし、驚いた、の部分に深い意味合いがあるようでしたらこちらの読解力不足ですが、それならば臭わせる材料が少ないかなと。

ラストは字数の関係なのでしょうか、描写がやや性急になってしまったように感じました。展開がわかりにくい、ということはありませんでしたが、丁寧さの比重が終盤だけ軽いような印象を。
りりーさんと同じく、おもしろかったからこその細かい指摘になります。あくまで一読者の一意見です。

それはそれとして、すごく好きな作品です。ありがとうございました。


[118] RE:No.17 「鎖雨樋」   Name:クロス・マリアン Date:2008/06/23(月) 13:11
 自分自身が耳にした実体験と作品の中の人物達がザッピングして、何とも言えない読後感が残ります。伝えられない当方の語彙の乏しさがとても悔しいです。
 淡々とした語り口調と、その内容の凄惨さのギャップが堪えました。正直、感情移入し過ぎて文章面でのレビューが出来ません。
 夢の中から現実に目覚める一瞬を、主人公はあと何度繰り返さなくてはならないんだろう?
 出迎えた保育士さんの、一瞬驚いた後の慣れた感じの対応が、とても心に突き刺さりました。


[133] RE:No.17 「鎖雨樋」   Name:覆面☆レビュア Date:2008/06/25(水) 18:37
読みやすい文章だった。ほのぼのしたやり取りにまつわった愛情表現が丁寧だったので、子供がいなくなった時のぞっとする感じはよく伝わってきた。他の方が仰ってた保母さんが驚くというところは、自分は初読では気づけなかった。次に読み返したときやっと気づき、「ボケてる」というような扱いをされていたのかと理解した。この主人公を客観視したとき、何ともいえない悲しみが増す部分だと思う。
タイトルに鎖樋を選んだのは、恐らくは最後の一文にある「溜まった雨水」のためなのだと思うが、だとしたら若干汲み取りにくかった。コーヒーを流し台に捨て「こうやってすべて流れてしまえば…」と思ったところと、雨水の溜まる鎖樋がリンクしているのは何となく解る。しかしながら、鎖樋と言って本当に鎖が連なってるほうを想像していた自分には、気づくのに時間がかかったのが少し残念。きっとコップみたいになってるほうの鎖樋を想像するほうが、正しかったのだろうと思う。しかしこれを作中で明記するのは無粋なのかな…などとも思った。


[160] RE:No.17 「鎖雨樋」   Name:覆面★作文屋 Date:2008/06/27(金) 23:24
とてもよかつたでつ(*´∀`*)
決して萌え要素も救いもないわけなのでつが、上質な世界を堪能しまつた(*´д`*)
作文屋、思わず唸らせていただきまつたおヽ(o´∀`o)ノ

粗捜しになてまうのをせうちでいうと、仕掛け時計から醸される昭和のかほりならば、熱帯魚ではなく金魚だと古臭い感じがしまつ(´・ω・`)
老婆が熱帯魚?なのでつ(´・ω・`)
あと最後の一文なのでつが、鎖樋は音がシマスたっけ(゜_゜;)?
そのため時を告げるイメェジはないのでありまつ(´・ω・`)

真っ向から文章と向き合う大変よか作品でつた(`・ω・´)




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